借金の時効と債務の承認に関するQ&A
- Q債務の承認とは何ですか?
- Qどのようなことをすると債務の承認とみなされるのですか?
- Q時効完成前に債務の承認をしたらどうなりますか?
- Q時効完成後に債務の承認をしたらどうかりますか?
- Q債務の承認をしたらもう時効の援用はできないのですか?
Q債務の承認とは何ですか?
A
債務とは、お金を借りて返済する義務のことです。
債務の承認とは、借金を返す義務があることを認めるという意味です。
Qどのようなことをすると債務の承認とみなされるのですか?
A
一部でも返済する、分割払いの話し合いをする、債務の支払いを待ってほしいと猶予を求めることなどです。
一般に貸金業者からお金を借りた場合の時効は5年ですので、5年以上返済していない場合は、一部でも払ったり、相手と話し合いをすることは控えるべきです。
文書がなく口頭でも債務の承認とみなされる場合もありますので、最近相手の業者と話したことがあるなど疑わしい場合は、弁護士に事情をお話しください。
Q時効完成前に債務の承認をしたらどうなりますか?
A
債務の承認は、時効の更新事由となっています(民法152条)。
時効の更新とは、時効が進んでいた期間がリセットされて、改めて時効期間を経過しない限り時効にかからなくなることです。
たとえば、最後の返済から5年で時効にかかる債務について、4年10ヶ月目に債務の承認をした場合、そこから5年、つまり最後の返済から9年10ヶ月経過するまで時効にかからなくなります。
Q時効完成後に債務の承認をしたらどうかりますか?
A
時効完成後の債務承認であっても、判例では、相手方はもう時効の援用はしないと信頼するので、それを裏切るような行為はできないとされており、信義則上再び時効期間が経過するまで時効の援用はできなくなります。
つまり、最後の返済から5年で時効にかかる債務について、6年目に債務の承認をした場合、そこから5年、つまり最後の返済から11年経過するまで時効にかからなくなります。